子育て通信 バックナンバー
   

 

長崎の12歳の少年事件に思うこと-子育ては、ゆっくりと、ていねいに

  (2003年8月1日)

今年は、梅雨も長く、どちらかというと冷夏。それでも、先日、夏の暑さを乗り越えようと夏祭りが行われ、保育園児だけでなく、卒園した子どもや、保護者も大勢集まりました。久しぶりに会う懐かしさで、それぞれに懇談、交流の花が咲いていました。卒園したOB・OGは小学校1年生から30代半ばと、すでに親になっている子ども?もいます。
 いろんな話が出ましたが、話題のひとつに「長崎の12歳問題」がありました。事件後、すぐに子どもの生育暦や家庭環境を事件と結び付けて、さまざまにマスメディアが報道しました。
 いかにも、離婚したことが子どもを情緒不安定にした。その子の母親は子どもを過保護にし、溺愛していた。幼児期からはさみでいたずらをしていた。注意されるとパニックになっていた等々、どれも事件の原因であるかのように断片的に報道し、不安や心配を募らせています。
 偶然ですが、私は「神戸の15歳の少年」「長崎の12歳の少年」の双方ともに同年齢の子どもがいる父親です。「神戸」の時もそうでしたが、こういうとき、親の子育てが際限なく事実かどうかも確かめずに「ウワサ話」的にどんどん報道されます。
 もう少し丁寧に事実を確かめながら見つめて生きたいのですが、マスコミは、「渋谷の少女」問題が起きると、それ一辺倒になってしまいました。それはそれでとっても大きな問題なのですが、取り上げ方は同じです。そういえば、あの白装束の集団は、今何をしているのでしょうか。メディアは、ニュース性が第一の価値なので、ショッキングな新しい事件を取り上げ続けるのでしょうが、その影響力は大きいものがあります。「神戸」「長崎」の報道で気になることのひとつは、原因をパターン化し、親の子育てに焦点を当て親失格の情報集め的報道が強いことです。「今の親は子どものしつけができない」「子どもを叱れない」「子どもを甘やかしすぎている」「こういう子は治らないのだから厳罰にすべきである」「こういう子は社会に出すべきではない」などのコメントが多く出されています。
 いろいろ考えなければならない問題をたくさん含んでいますが「単純」「明解」は、本当の解決につながるのでしょうか。
 もっともっと事実を基に、時間をかけて、丁寧に議論しながら、家庭、地域、社会が考えるべき問題を浮き彫りにしていく必要を痛感します。
 思春期の親と子の関係って、なかなか難しいものです。
 もともと子育てはジグザク回り道です。
 パターン化した正解は無いので悩みの連続です。
 それだけ0歳から子どもと楽しい関係、「できる」「できない」ではなく無邪気に楽しむ関係、ふれあいを面白がる関係が大切なのだと再認識しています。

 

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