今年は残暑を感じることもなく、もう10月です。
10月は、紅葉も鮮やかで、秋晴れの下、自然と親しむ絶好の季節です。
新型インフルエンザが心配ですが、運動に、食欲に、読書にと、集中的に楽しみ、長い長い冬に向かいます。
何かと仕事に追われ、なかなか自分の時間がとれませんが、最近、堤未香さんの「貧困大国アメリカ」(岩波新書)を読んで、改めて、新自由主義による民営化が貧困や格差を広げ、貧困層は最貧困へ、中流の人々が尋常ならざるペースで貧困層へと転落し、貧困をビジネスにするアメリカの国策の事実に驚愕させられました。
アメリカでは、医療、教育、福祉、防災、など生命に関わること、公務員がどんどん民営化され、大学教授でも暮らしていけないという状況や、病気になってもお金が払えないので病院に行かない、医療費がかかりすぎて自己破産になることが多いという内容は、明日の日本の姿とダブります。
詳しい内容は、直接、本を読んでいただくことにして、日本でも、最近、働き方の大きな変化が起きています。
規制緩和や構造改革により、派遣労働者や非正規職員がどんどん増えました。
特徴的なのは、コンビニや居酒屋さんの働き方。
店長ひとりに、後は全て時間アルバイト(パート)という雇用は、今、ごく普通になってきました。
あるコンビニのマニュアルには、「急病で休む場合は、1週間前に届け出ること」があります。
一瞬、「エー!」、何のこと。
なんでこうなるかといえば、24時間営業を何交替ものシフト、短時間労働のパッチワークで勤務体制を組んで働きます。
突然、休みが入っても交代要員がいません。店長自身も過酷な長時間拘束の働き方で、いっぱい、いっぱい。
そのため、早希のような非人間的マニュアルが出現します。
今日、深刻なのは、このようなことが、コンビニや居酒屋だけでなく、公務員も含め、どこの職場でも起きつつあることです。
派遣や非正規職員だけではなく正職員も職員削減の中で、労働加重になり、休みが取れない状況が広がっています。
昔は「お金は天下のまわりもの」といわれましたが、今は、どこにたまっているのでしょうか。働く人が減り、人間的な関係が崩れる民営化は、もうごめんです。
そんな思いを強くする本です。ぜひ、ご一読を。 |