どうしても見たい映画が2本あり見てきました。
ひとつは『沈まぬ太陽』。もうひとつは『のんちゃんののり弁』。
『沈まぬ太陽』は、山崎豊子の小説の映画化でご存知の方も多いと思います。
3時間22分の長い映画ですが、渡辺謙が主演し、時間を忘れるほど引き込まれる作品になっています。
『のんちゃんののり弁』は、なーんにも考えずに生きてきた31歳子持ち女性の物語を、小西真奈美が主演している映画です。
小西真奈美といってもピンとこない方は、NHK『ちゅらさん』のヒロインの恋敵のクールな女医さん役と言えばおわかりでしょうか。
不器用で、気が強く、世間知らずな女性が、夫に見切りをつけて、5歳の一人娘(のんちゃん)を抱えて、ひたむきに生きようとする姿を描いています。
どちらも、人間としての自立とは何かを、とてもリアルに人の愛らしさ、悲しさを織り交ぜながら、もの静かに考えさせてくれます。
内容はもちろんのことですが、それぞれ主演が、はまり役。
脇役も含め配役がお見事!という感じで、映画としても泣き、笑いしながら映画館で見たい映画です。
観客動員数では、圧倒的に『沈まぬ太陽』ですが、『のんちゃんののり弁』も必見です。
それぞれ人間、家族を描いていますが、沈まぬ太陽は、男性の生き方、働き方の視点。のんちゃんは、女性の生き方、働き方の視点の違いがあります。
のんちゃんの家族の描き方は今日的で、妻にしがみつきたい夫と、再出発をしたい妻。
子どもを盾に、離婚を拒む夫。
なんだか、身につまされます。
そんな中で、世の中の現実の厳しさに直面し、働く場所も見つからず、弱気になったり、意地を張ったりと心が揺れ動きながら、それでも自分の人生を生きたい、再出発をしたいという、子どものいる女性、シングルマザーを好意的に描いています。
子どもがいて、幼稚園(映画では、のんちゃんは幼稚園児)の迎えの時間までとなると、とても、とても仕事は見つからない。
母子家庭の平均就労収入は、厚生労働省の調査でも年間171万円です。
パートでの時間給しかない。
そこで、あとは映画をみてのお楽しみ。
私が言うのも変ですが、もっと、もっと、女性の視点で、現代を描いた映画がたくさん作られたらいいですね。
男性の笑顔もいいけど、女性の笑顔は綺麗です。
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