子育て通信 バックナンバー
   

 

園長の本音トーク 18 「新しい年にあたって」

  (2010年1月5日)

 昨年の12月、保育所最低基準地方移管や保育所運営費一般財源化の提起という大きな動きがありました。
 一般財源化は、保育所運営に使うという特定された目的の予算支出ではなく、自由に使えるよう予算支出を一般化するということです。
 市町村は、自由にその財源を使えるようになり、地方主権にふさわしくないというのですが、実際は、財政難の現状では保育所に使うという制約がなくなり、市町村での格差が広がり、保育所運営が極めて厳しくなることは公立保育所の一般財源化で証明済です。
 そもそも、一般税源化は、新政権での「子ども手当」財源をどこから持ってくるかが発端でした。
 とりあえずは、平成22年は見送られましたが、23年度予算編成に向けて再現される気配が濃厚です。
 子ども手当と保育所整備の両方が必要との世論づくりが急がれます。
 さて、こばと保育園は、昭和43年、結婚退職、出産退職を強いられた働く女性の手で産休明けの無認可保育所として誕生しました。
 当時は、子どもの保育というより、「3歳未満の子どもを他人の手にゆだねるなんて母親のかざかみにもおけない」などと職場での攻撃にあう保護者の話に耳を傾けることが私たちの大きな仕事でした。
 なんの力にもなれないけど、「働き続けよう」「子どもは育つ」と、気持ちだけ精一杯の日々でした。
 あれから40年、保育所もたくさん増え、働きながら子育てすることは普通になり、保育所に入りたくても入れないという「待機児童」問題が深刻になっています。
 こばとでも、兄弟が別々の保育園という家族が4世帯います。
 秋田市は、待機児童解消のために市長公舎や空き店舗を活用した保育所分園づくりを進めており、こばと保育園は、昨年10月の公募に応募し、新たに分園づくりに挑戦することになりました。
 0歳から5歳までの30人定員の小さな保育園分園です。
 年齢クラスを超えてふれあう生活を基本に、「保育園の兄弟」として育ちあう保育を進めたいと考えています。
 工事、受入れ準備、分園の運営などの課題が山積し、多くの困難に出会う
ことになると思いますが、40年前を思い起こし、保育の原点に戻って、乗
り越えていきたいと考えていますので、どうか、よろしくお願いいたします。

 

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